「最近、売上が落ちてきて会社が苦しい……」
そんな危機に直面したとき、なぜか多くの社長が「よし、何か新しいことを始めよう!」と動き出します。
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新商品の開発
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新たなSNS運用のスタート
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広告費の増額
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セミナーや異業種交流会への積極的な参加
一見、前向きでアグレッシブな行動に見えますよね。しかし、厳しい現実を言うと、この新しいことへの挑戦は、会社をさらに窮地に追い込む 時に“最悪の一手” になることがあります。
……と、偉そうなことを書いている私ですが、実はこれ、私自身への猛烈な戒めでもあります。
うまくいかない時ほど、次の一手に逃げたくなる
偉そうに語っている私自身、事業が少しでも思い通りにいかなくなると、「じゃあ次はこうしよう! ああしよう!」と、すぐに新しいことに手を出しそうになる癖があります。
人間だもの、うまくいっていない現実をじっと見つめるのは辛いですよね。既存事業の数字が落ち込んでいるとき、その原因を直視するのは本当にエネルギーがいります。
「自分のやり方が間違っていたのか」「商品力が落ちているのか」 そんな耳の痛い現実と向き合うくらいなら、
「この新サービスが当たれば一発逆転できるかもしれない」 「このSNSがバズれば、一気に問い合わせが増えるはず」
と、ワクワクする未来や希望を考えている方が、よっぽど精神的に楽なのです。 つまり、新しいことに挑戦しているフリをすることで、厳しい現実から目を背け、一時的な安心感を得ようとしてしまう。これが、苦しい時ほど新しいことを始めたくなる「社長の心理(現実逃避)」の正体です。
穴の空いたバケツに、いくら水を注いでも残らない
しかし、現実逃避のツケは必ず回ってきます。 想像してみてください。あなたの手元に、底に大きな穴が空いたバケツがあります。バケツの中の水(利益や顧客)がどんどん減っていくとき、あなたならどうしますか?
普通なら、まずは穴をふさぐはずです。
しかし、経営の現場では、なぜか多くの社長が「穴はそのままで、もっと勢いよく水を注げ!(=新規開拓・新事業)」と叫んでしまいます。
体制が整っていない、あるいは既存事業の数字が悪化しているということは、ビジネスモデルのどこかに大きな穴が空いている証拠です。その穴を放置したまま、新しいサービスを始めたり、広告を打って新規顧客を呼び込んだりしても、集まった水はすべて穴から流れ出ていってしまいます。
結果として、お金と時間と労力だけが消え、さらに状況が悪化するという最悪のスパイラルに陥るのです。
新しいことを始める前に、今すぐやるべきこと
「何か新しいことをしなきゃ!」と焦る気持ちをグッとこらえて、まずはバケツの穴をふさぐ(体制を整える)ことから始めましょう。
具体的には、次の2つのステップです。
1. 新規開拓より、まずは既存顧客を徹底的に大事にする
売上が落ちてくると、どうしても外(新規顧客)ばかりに目が向きます。しかし、今あなたの会社を支えてくれているのは、他でもない既存のお客様です。
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最近、既存のお客様へのフォローが雑になっていませんでしたか?
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顧客満足度を上げるために、今すぐできる改善はありませんか?
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかると言われています。苦しい時こそ、すでに信頼関係があるお客様に誠心誠意向き合うことが、最も確実でコストパフォーマンスの高い売上維持につながります。
2. 数字を直視し、体制を整える
現実から目を背けず、まずは現在の数字を徹底的に洗い出しましょう。 どこでコストがかかりすぎているのか、どのアクションが赤字の原因なのか。ウミを出し切り、無駄を削ぎ落として、「これ以上、水が漏れない体制」を社内に作ることが先決です。
まとめ:攻める前に、まずは守りを固めよう
会社が苦しい時、じっと数字と向き合い、地味な改善を繰り返すのは、精神的にも本当に辛い作業です。次々と新しいアイデアを考えている方が、どれだけ楽しいか分かりません。
だからこそ、「次はこうしよう、ああしよう」と新しいことに走りそうになった時が、最大のブレーキを踏むタイミングです。
新しいことを始めるのは、穴を完全にふさいでから。 焦りが生まれたときこそ、一歩踏みとどまって、今いるお客様の顔を思い浮かべ、足元の数字を見直すことから始めてみませんか?(私も一緒に、肝に銘じます!)