家事代行は贅沢じゃない。女性起業家が仕事に集中するために必要な選択肢

 こんばんは🍀名古屋市で活動する女性税理士の眞弓倫子です<(_ _)>

「家事代行サービスを利用すると、税金が安くなるかもしれない」

そんな話題を目にして、思わず気になった方もいるのではないでしょうか。

私自身も、その一人です。

 現在、政府では家事支援サービスやベビーシッターなどについて、サービスの品質向上や信頼性確保、利用拡大に向けた支援策が検討されています。資料では、2026年夏を目途に、公的資格の在り方や、税制措置を含む支援策等を総合的に検討するとされています。

 つまり、現時点で「家事代行を使えばすぐに税金が安くなる」という制度が始まっているわけではありません。

 けれど、この話題は単なる税制改正の話ではないように感じます。

働く女性、特に子育て中の女性起業家にとって、家事をどのように分担し、どこまで外部に頼るのかは、とても大きなテーマです。

目次

家事は、女性が一人で抱え込むものなのか

 私は共働き家庭です。夫も、家事や育児に協力しようという気持ちは持ってくれています。それは分かっています。感謝しています。

 でも、どこかで手伝うという雰囲気を感じてしまうことがあります。夫の帰りが遅いこともあり、一番大変な夕飯づくりをお願いするのは、現実的に難しい。
 私は自営業なので、時間の融通はききます。けれどその分、土日も関係なく働くことがあります。気づけば、仕事もして、家事もして、家族の予定も気にして、夕飯のメニューも考えている。「仕方ない」と思う一方で、家事の負担がどうしても私に重くのしかかってくる感覚があります。

 その気持ちを家族のみんなはわかってくれているのか、「ありがとう」の感謝の気持ちはよく表現はしてくれます。

夕飯づくりは、ただ料理をするだけではない

 私が特にしんどいと感じるのは、夕飯づくりです。…ちょっとさぼって総菜を買ってきてしまうこともありますが…

 夕飯づくりは、単に料理を作る作業だけではありません。今日のメニューを考える。冷蔵庫の中身を見る。買い物が必要か考える。家族の好みや栄養も気にする。仕事で疲れていても、毎日その時間はやってくる。

 料理そのものよりも、「何を作るか」を考えることに頭を使います。仕事で頭を使い切ったあとに、さらに夕飯の段取りを考える。それが毎日続くと、思った以上に心が疲れていきます。

 そして、つい思ってしまうのです。「なんで私ばっかり?」そう思ってイライラしてしまう自分に、また自己嫌悪する。この繰り返しが、地味につらいのです。

「家事は女がやるもの」という思い込み

 私の母は専業主婦でした。家にいて、家族のことをきちんと整えてくれる母の姿を見て育ちました。
 その影響もあって、私の中にもどこかで「家事は女性がやるもの」という思い込みが残っているのかもしれません。頭では、そうではないと分かっています。

 今は共働きの家庭も多く、女性も仕事を持ち、起業し、責任ある立場で働く時代です。それでも、家事の主担当がなんとなく女性になってしまう家庭は、まだまだ多いのではないでしょうか。

 そして女性自身も、心のどこかで「自分がやらなきゃ」と思ってしまう。この思い込みを手放すことは、簡単ではありません。

家事代行を頼みたい。でも家族には不安もある

 私は以前、家族に「家事代行サービスを頼みたい」と話したことがあります。特に前職で、12月から4月にかけて。なんなら、夫より働く時間が長い月もありました。

 お願いしたいのは、家のこと全部ではありません。
夕飯の作り置きと、水回りの掃除。それだけでも、かなり気持ちが楽になると思ったからです。家はわりと片付いているので、すべてを任せたいわけではありません。自分にとって一番負担が大きい部分だけ、誰かにお願いしたい。けれど、家族はあまり乗り気ではありませんでした。

 理由は、おそらく「他人が家に入るのが不安」だからです。
どんな人が来るか分からない。家の中を見られることにも抵抗がある。そう感じる気持ちも、分かります。

 実際、政府資料でも、家事支援サービスを利用しない理由として、「他人に家の中に入られることに抵抗がある」「セキュリティに不安がある」といった心理的抵抗感が挙げられています。家事支援サービスは認知されているものの、利用は限定的で、価格の高さや心理的抵抗感が課題とされています。

 だからこそ、今回の「資格制度」の検討には意味があるのではないかと思います。

家事代行に資格制度ができる意味

 家事代行サービスに公的な資格制度ができれば、利用する側の安心感は高まるのではないでしょうか。一定のスキルがある。専門サービスとして認められている。家族にも説明しやすい。「知らない人に家事を頼む」という不安が、少し和らぐ。

 家事代行は、単なる「お手伝い」ではありません。料理、掃除、段取り、衛生管理、家庭内での配慮。人の暮らしの中に入る仕事だからこそ、信頼性やスキルが大切です。

 それが専門サービスとして社会的に認められていけば、家事代行に対する見方も少しずつ変わっていくかもしれません。

「家事代行を頼むなんて贅沢」
「自分でできることにお金を払うのはもったいない」
「家事を外注するのは手抜き」

 そんな価値観が、少しずつ変わっていくきっかけになるのではないかと期待しています。

税制優遇が実現したら、女性の働き方は変わるかもしれない

 もし今後、家事代行サービスの利用について税制優遇が実現すれば、利用のハードルは下がるかもしれません。

 特に、子育て中の女性起業家や共働き家庭にとっては、大きな後押しになる可能性があります。女性起業家にとって、時間は本当に貴重です。お客様対応、資料作成、発信、営業、経理、勉強。やることは尽きません。それに加えて、家事や育児も抱えていたら、どれだけ時間があっても足りません。私も今引き受けている業務以上にやりたいことが本当にたくさんあります。主人からは、「なんなら退職する前より働いてない…?」と言われます。けれど、仕事が楽しいので苦にはなりません。とはいっても、身体は疲れます。頭も疲れます。そこに料理が重くのしかかる…

 家事代行にお金を払うことは、単なる支出ではなく、仕事に集中するための環境整備とも考えられます。

 自分でやるべきという思い込みを手放し、必要な部分は外部の力を借りる。それによって、女性がもっと仕事に集中できる環境が整う。

 これは、個人のわがままではなく、これからの働き方を考えるうえで大切な視点だと思います。

今すぐ使える控除ではない点には注意

 税理士として、ここは正確にお伝えしておきたいところです。

 現時点では、家事代行サービスを利用したからといって、すぐに所得控除や税額控除が使える制度が始まっているわけではありません。

 政府資料では、家事支援サービスについて、国家資格化の検討や、国家資格保有者など質の高いサービスの利用に対する税制措置を含む支援策の検討が示されていますが、具体的な控除額、対象者、対象サービス、開始時期などは今後の制度設計を待つ必要があります。

そのため、現時点では、

「家事代行を使えば税金が安くなります」とは言えません。

正しくは、

「家事代行サービスなどの利用を後押しするため、資格制度や税制措置を含む支援策が検討されています」

という段階です。

家事を頼ることは、家族を大切にしていないことではない

 私は、家事代行を頼りたいと思うことに、どこか後ろめたさを感じていました。でも最近は、少し考え方が変わってきました。家事を外に頼ることは、家族を大切にしていないということではありません。

 むしろ、自分が仕事に集中し、心に余裕を持ち、家族にイライラせずに過ごすための選択肢なのだと思います。家事を全部自分で抱え込んで、疲れ果てて、家族にきつく当たってしまう。それよりも、必要な部分を外部にお願いして、家族と穏やかに過ごせるほうが、ずっと健全なのかもしれません。

 家事は、女性が一人で背負うものではありません。家族で分担する。便利なサービスを使う。社会の制度を活用する。その選択肢がもっと自然に広がっていけば、働く女性はもっと力を発揮できるはずです。

まとめ

 家事代行サービスの資格制度や税制優遇は、現時点ではまだ検討段階です。

 けれど、この話題が出てきたこと自体に、大きな意味があると感じています。

家事は、家庭の中だけで何とかするもの。女性が頑張って回すもの。そんな前提が、少しずつ変わろうとしているのかもしれません。

 家事代行は、贅沢ではありません。手抜きでもありません。働く女性が仕事に集中し、自分の時間を取り戻し、家族と穏やかに暮らすための、前向きな選択肢です。

 これから制度がどのように具体化されるのか、引き続き注目していきたいと思います。

よかったらシェアしてください!
目次