「忙しい」が口癖になったら読む、経営者の時間管理術

 こんにちは🍀名古屋市で活動する税理士の眞弓倫子です。

 突然ですが、最近こんな言葉を口にしていませんか?

「忙しくて、なかなか手が回らなくて…」
「時間があればやりたいんですけど…」
「今月もバタバタしてて…」

 もしこれが口癖になっているなら、少しだけ立ち止まって読んでいただけると嬉しいです。私が日々関わっている中小企業の経営者さん・個人事業主さんの多くが、「売上は上がってきたのに、なぜか余裕がない」という状態に陥っています。その根っこには、「時間の使い方」の問題が隠れていることがとても多いんです。

目次

売上より大切な「時間」という資産の話

 税理士という仕事柄、お金の話はしょっちゅうします。でも最近、お客様にお伝えしていることがあります。「時間は、お金より大切な資産です」という話です。

 お金は失っても取り戻せます。融資を受けることもできるし、新しい仕事で稼ぐこともできる。でも、時間は一度過ぎてしまったら絶対に戻りません。経営者にとって、1日24時間は社員さんにも投資家にも平等に与えられた唯一の「公平なリソース」です。

 「忙しい」という状態が続いているとき、実はこの時間という資産が知らないうちに目減りしているんです。しかも質の低い作業に使われているケースがとても多い。これは、利回りの悪い投資にお金を突っ込み続けているのと同じことです。

「忙しい」の正体を分解してみる

 では、「忙しい」の正体は何でしょうか。私が見てきた経営者さんの時間の使い方を観察すると、大きく3つのパターンがあります。

・「緊急だけど重要じゃない」仕事に時間を奪われている
・「自分がやらなくていい」仕事を手放せていない
・「考える時間」がそもそも確保されていない

 この1つ目の「緊急度と重要度で仕事を分類する」という考え方は、「アイゼンハワーマトリクス」として広く知られているフレームワークです。タスクを緊急度・重要度の2軸で整理することで、何に時間を使うべきかが見えやすくなります。

 特に3つ目は深刻です。経営者の仕事の本質は「判断すること」と「方向を決めること」なのに、日常の作業に追われて考える時間がない。これでは会社の成長に必要な意思決定の質がどんどん落ちてしまいます。

スケジュール設計を「逆算」で考える

 では、どうすればいいか。私がおすすめしているのは「逆算スケジューリング」という考え方です。

 普通、多くの方はやることリストを作ってあれもこれもと詰め込んでいきます。でも逆算スケジューリングは逆です。まず「自分がやるべき最重要な仕事」を決め、それを先にカレンダーに予約してしまうんです。

具体的にはこんな流れです。

・週に1回、「思考・戦略の時間」を最低90分確保してカレンダーに入れる
・「移動・作業・会議」など消費型の時間を把握し、削れるものを洗い出す
・繰り返し発生する定型業務(経理・請求書・メール対応など)は仕組み化・外注化を検討する
・「自分にしかできないこと」と「自分じゃなくてもできること」を紙に書き出す

 「思考・戦略の時間」を90分単位で確保することには、生理学的な根拠もあります。人間の脳は「約90分の集中期と約20分の休息期」を交互に繰り返す「ウルトラディアンリズム」というサイクルを持つことが研究で示されており、90分という単位は集中して考えるのに適した時間とされています。

 この「自分にしかできないことリスト」、やってみると驚くほど少ないことに気づきます。多くの場合、経営者が「自分でやらないといけない」と思っていた仕事の多くは、実は他の人や仕組みに任せられるものだったりします。どのくらい任せられるかは人や事業内容によって大きく異なりますが、一度書き出してみることで新しい発見が必ずあります。

AI・ツールをうまく使って時間を取り戻す

 私自身、最近はAIを積極的に活用しています。気づけば、ブログ記事はAIの「ことばっかりです(;^ω^)文書の下書き、情報整理、議事録の要約、資料の分析など、以前は時間がかかっていた作業が短縮されました。これはお客様にも積極的にお伝えしていることです。

 たとえば、毎月の経理処理にどれくらい時間がかかっていますか?マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計ソフトを活用すれば、レシートをスマートフォンで撮影するだけでAIが内容を解析・読み取りして自動で仕訳に反映してくれます。電子帳簿保存法のスキャナ保存にも対応しており、経理にかける時間を大幅に減らせるケースがあります。

 「ITは苦手で…」という方もいますが、今のAIツールやクラウドサービスはかなり使いやすくなっています。大切なのは「完璧に使いこなすこと」ではなく、「少し楽になること」から始めることです。

「時間の家計簿」をつけてみる

 お金の管理でやることを時間でもやってみてください。1週間だけでいいので、自分の時間の使い方を記録してみる。何に何時間使っているか、「時間の家計簿」をつけてみるんです。

 これをやると、自分でも気づいていなかった「時間の無駄遣い」が見えてきます。無駄なミーティング、返信に時間がかかりすぎているメール対応、SNSを眺めている時間…。記録するだけで意識が変わり、行動が変わっていきます。

まとめ:余白のある経営が、いい判断を生む

 「忙しい」が口癖の経営者さんに、最後にお伝えしたいことがあります。

余白のない経営は、いい判断ができません。判断の質が下がると、事業の質も下がります。「もっと考えたかった」「もっと早く動けばよかった」という後悔のほとんどは、時間の余白がなかったことが原因です。

 時間をうまく使うことは、経営戦略のひとつです。売上計画を立てるように、時間の使い方も設計してみてください。少しの工夫で、半年後の経営は確実に変わります。

 何かお手伝いできることがあれば、いつでもご相談ください。

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