こんばんは🍀名古屋市で活動する税理士の眞弓倫子です✨
「今年は予想以上に売上が上がった!でも、税金がいくらになるか怖い…」
業績が好調なのは素晴らしいことですが、決算や確定申告が近づくにつれて、税金への不安から慌てて経費を使おうとしていませんか?
実は、不要なものを買う浪費による節税は、手元の資金を減らしてしまう危険な行為です。今回は、無駄遣いを防ぎつつ、翌年の売上アップや事業の持続的な成長に繋がる「賢い節税」についてお伝えします。
決算直前の「無駄遣い」は手元資金を減らすだけ
利益が出たからといって、慌てて最新のパソコンや不要な備品を購入していませんか?経費を使えば確かに税金は減りますが、それ以上に手元のお金が減ってしまいます。
例えば、税率が30%だとした場合、10万円の無駄遣いをすると税金は3万円減りますが、手元からは10万円の現金がなくなります。結果として、何もしなかった場合と比べて7万円も資金が減ってしまうのです。
事業を長く続けていくためには、いざという時のためのキャッシュを確保しておくことが何よりも重要です。節税の目的は「税金を減らすこと」ではなく、「事業を守り、成長させるためにお金を残すこと」だと考えましょう。
賢い節税策① 小規模企業共済で将来の退職金づくり
個人事業主や小規模企業の経営者におすすめなのが小規模企業共済です。これは、国が用意した経営者のための退職金制度です。
掛金は月額1,000円から70,000円まで自由に設定でき、支払った掛金は全額が所得控除(法人の場合は個人の所得控除)の対象となります。最大のメリットは、年内に翌年分の掛金を前納することで、最大1年分(84万円)をその年の控除にできる点です。
利益が大きく出た年に前納を活用すれば、手元資金を将来の自分のために貯蓄しながら、大きな節税効果を得ることができます。
賢い節税策② 経営セーフティ共済(※法改正に注意!)
「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐための制度ですが、掛金が全額経費(法人は損金、個人事業主は必要経費)になるため、節税対策としても広く活用されています。
掛金は月額5,000円から20万円まで設定でき、年間最大240万円を経費にすることが可能です。
ただし、令和6年(2024年)10月1日以降の解約については法改正による制限が設けられました。
解約後、再度加入した場合、解約の日から2年間は掛金を経費(損金)に算入できなくなりました。以前のように「解約してすぐに再加入し、再び経費にする」という使い方ができなくなっているため、加入や解約のタイミングには計画的な出口戦略が必要です。
ちなみに…ここは意見がわかれるかもしれませんが、個人事業の場合だと、本来の目的である取引先の倒産に備える目的であればいいのですが、経費にするために多額にかけてしまうと、解約する際には所得が大分出てしまうので、出口戦略が少々難しい面もあるのでは…?と感じています。
法人の場合は、大幅に赤字が出たタイミングや大きな設備投資で損金が多額に出る場合、退職金を多額に払う時を狙って解約すれば利益と打ち消すことができるので、使い勝手がいいと思います。
賢い節税策③ 翌年の売上アップに繋がる生きた経費
手元資金を使って経費にするのであれば、翌年以降の売上や業務効率化に直結する生きたお金の使い方をしましょう。
1. 広告宣伝費への投資
決算前に、翌年の集客に向けたWeb広告の出稿や、パンフレットの作成などを行うのも一つの方法です。ただし、ホームページ制作費などは、内容(高度なプログラムが含まれる場合など)によっては全額その年の経費にならず、資産として減価償却が必要になるケースもあるため注意が必要です。
2. 少額減価償却資産の特例を活用した設備投資
青色申告をしている中小企業者や個人事業主であれば、「少額減価償却資産の特例」が使えます。
通常、10万円以上のパソコンや機材は数年に分けて経費(減価償却)にしなければなりませんが、この特例を使えば、取得価額が40万円未満の資産であれば(※令和8年4月1日以降に取得したもの)、年間合計300万円までその年の経費として一括で落とすことができます。
※この特例は令和8年度税制改正により、令和11年(2029年)3月31日まで適用期限が延長されています。なお、令和8年3月31日以前に取得した資産については30万円未満が適用されます。対象法人は常時使用する従業員数400人以下です。
業務効率を上げるための新しいパソコンや、事業に必要な機材など、本当に必要な設備投資をこのタイミングで行うのは非常に有効です。
売上が急増した年こそ、冷静な判断が求められます。慌てて無駄遣いをするのではなく、事業の持続的な成長を見据えた計画的な税金対策を行いましょう。
「自分の場合はどの制度を使うのが一番効果的?」「この経費は今年落とせる?」など、決算や確定申告に向けて不安なことがあれば、ぜひお早めに当事務所までご相談ください。あなたの事業に寄り添い、最適なサポートをいたします。