「忙しいのに利益が出ない」を抜け出す!売上アップにつながる価格設定と損益分岐点

 こんにちは🍀名古屋市で活動する税理士の眞弓倫子です✨

 「売上は少しずつ上がっているのに、手元にお金が残らない」「毎日忙しいばかりで疲弊している……」
 事業を軌道に乗せようと頑張る中で、このような悩みを抱えていませんか?
 実は、単に客数や売上高を追うだけでは、利益は手元に残りません。事業を継続し、しっかりと利益を出すためのカギとなるのが「限界利益」と「損益分岐点」という数字の考え方です。
 今回は、値上げによる客数減少への不安を論理的に解消し、適正な価格設定を行うためのポイントを税理士がわかりやすく解説します。

なぜ「忙しいのに利益が出ない」のか?

 売上が上がっているのに利益が出ない最大の原因は、「利益率の低い価格設定」のまま労働量(客数)だけを増やしていることにあります。
 事業にかかる費用には、売上に比例して増える「変動費(仕入代、材料費など)」と、売上に関係なく毎月固定でかかる「固定費(家賃、人件費、リース料など)」があります。
 薄利多売の状態で客数を増やすと、売上とともに変動費も増大し、さらに対応するための労働時間ばかりが膨らんでしまいます。結果として、固定費を差し引くと手元に利益がほとんど残らない忙しいだけの状態に陥ってしまうのです。

 利益の鍵を握る「限界利益」とは?

 ここで重要になるのが限界利益という考え方です。
限界利益とは、【売上高 - 変動費】で計算される利益のことです。商品やサービスを1つ売ったときに、直接的に手元に残る金額を指します。
 事業の利益は、この限界利益の積み重ねによって固定費を支払い、残った金額が最終的な営業利益となります。つまり、商品1つあたりの限界利益が少なすぎると、どれだけたくさん売っても固定費をカバーしきれず、赤字やギリギリの黒字から抜け出せません。

「損益分岐点」を知れば、いくら売ればいいかが見える

 事業を黒字化するために最低限必要な売上高を「損益分岐点売上高」と呼びます。これは利益がちょうど「ゼロ」になるラインです。
計算式は【固定費 ÷ 限界利益率】となります。
 自社の固定費がいくらで、限界利益率が何%なのかを把握すれば、「毎月いくら売り上げれば赤字にならないか」が明確になります。中小企業庁のデータ等を見ても、小規模事業者は大企業に比べて損益分岐点比率(実際の売上に対する損益分岐点の割合)が高い傾向にあり、少しの売上減少で赤字に転落しやすいリスクを抱えています。だからこそ、自社の数字を正確に把握することが不可欠です。

 値上げは怖い?客数減少と利益増加のバランス

「適正価格に見直したいけれど、値上げしたらお客さんが離れてしまうのではないか」と不安に思う方は多いでしょう。しかし、数字でシミュレーションしてみると景色が変わります。

 例えば、単価1,000円、変動費300円(限界利益700円)の商品を月に100個売っているとします。このときの限界利益の合計は70,000円です。
 ここで単価を1,200円に値上げしたとします。変動費は変わらず300円なので、1個あたりの限界利益は900円に増えます。
 もし値上げによって客数が2割減少し、月に80個しか売れなくなったとしても、限界利益の合計は【900円 × 80個 = 72,000円】となります。

 結果として、客数が減って労働負担(忙しさ)が軽減されたにもかかわらず、手元に残る利益は増えているのです。これが適正な価格設定の力です。

 適正価格への見直しが事業継続の第一歩

 事業を長く続けていくためには、経営者自身が疲弊しない適正な利益を確保することが絶対条件です。
「周りがこの価格だから」「値上げしたら申し訳ないから」という感情的な理由ではなく、自社の「固定費」「変動費」「限界利益」という客観的な数字に基づいて価格を決定することが、事業主としての正しい判断と言えます。

 「今の価格設定で本当に利益が出ているのか不安」「自社の損益分岐点がわからない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。税理士として、あなたの事業の数字を一緒に整理し、無理なく利益を出せる適正価格の見直しをサポートいたします。

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