【税理士が優しく解説】インボイス制度、今の負担感とこれからの安心対策

 こんにちは。名古屋市で活動している税理士の眞弓倫子です。

 2023年10月にインボイス制度がスタートしてから、少し時間が経ちましたね。毎日の業務、本当にお疲れ様です。「消費税の申告が初めてで戸惑っている」「事務作業が増えて大変…」といったお悩みを、今でもよくお聞きします。決してあなただけではありません。今回は、現在皆さんが感じている負担の現状と、これからに向けてどう備えていけばいいのかを、一緒にゆっくり整理していきましょう。

目次

実はみんな悩んでいる?免税事業者さんのリアルな声

 インボイス登録を機に新しく課税事業者になった方の多くが、「事務負担が増えた」「コスト面が心配」と感じています。特に、専任の経理担当者がいない小規模な事業者さんにとっては、日常業務をこなしながらの対応となり、本当に大変ですよね。

 国税庁のデータ(2023年分)でも、消費税の申告件数が前年から約92万件も急増しました。多くの方が初めての申告に奮闘されたことがわかります。

負担を和らげる「特例措置」の現状

急激な負担増を防ぐため、現在は以下のようなルール(特例措置)が用意されています。

※以前のブログにも記載している内容です。

  • 売手側の負担軽減(2割特例→3割特例)

    消費税の納付額を売上にかかる消費税の「2割」に抑えられる特例です。多くの方がこの制度に助けられています。2026年の税制改正により、個人事業者向けには「3割特例」として2年間軽減措置が講じられています。

  • 買手側の負担軽減(経過措置)

    免税事業者からの仕入れでも、一定割合の控除が認められるルールです。こちらも税制改正で期間が延長されましたが、控除できる割合は少しずつ減っていきます。

周りの事業者はどうしているの?

 日本・東京商工会議所の調査(2025年6〜7月実施)によると、BtoB中心の免税事業者のうち約78.6%がインボイス登録(課税転換)を実施しました。ただし、登録後に価格交渉を行った事業者は23.2%にとどまり、消費税の負担増を価格に転嫁できていないケースが目立ちます。

また、売上1,000万円以下の事業者では約76%が代表者自身で経理を兼務しており、事務負担の大きさも課題となっています。

https://www.tokyo-cci.or.jp/page.jsp?id=1207117

取引先との関係で困ったときは

もし、取引先(元請業者)から以下のようなことを言われたら、少し注意が必要です。

  • 「免税事業者のままだから、消費税分は支払わないよ」と減額された

  • 「インボイスに登録しないなら、今後の取引を考える」と無理に強要された

これらは「下請法」や「独占禁止法」に違反する可能性があります。決して一人で抱え込まず、公正取引委員会などの相談窓口や、私たち税理士にも相談してください。

これからに向けて、少しずつできる3つの準備

特例措置は少しずつ縮小していくため、将来に向けて無理のない範囲で準備を始めていきましょう。

  1. 資金の管理と、早めの価格交渉

    将来的に消費税の納付額が増えることを見越して、売上と消費税分を少し分けて管理する癖をつけてみましょう。また、値上げ交渉に成功している事業者さんも少しずつ増えています。焦らなくて大丈夫ですので、タイミングを見て取引先と相談してみるのも一つの手です。

  2. デジタルツールの力を借りる

    「Peppol(ペポル)」と呼ばれる電子インボイスや、クラウド会計ソフトを導入すると、毎月の入力作業や確定申告が驚くほどラクになります。IT導入補助金など、国や自治体のサポートも活用できます。

  3. お互いを思いやる取引関係づくり

    インボイス制度は、売る側も買う側も一緒に乗り越えていくものです。お互いの負担を理解し合える、風通しの良い関係づくりを大切にしていきたいですね。

おわりに

インボイス制度は、まだまだ変化の途中です。状況やルールが変わるたびに不安になるかもしれませんが、あなたが事業に集中できるよう、私たち税理士がしっかりサポートいたします。

「うちの場合はどうすればいい?」「デジタル化って何から始めればいいの?」など、どんな小さなことでも構いません。いつでもお気軽にご相談ください。

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