税務調査が入りやすい会社の特徴とは?~個人事業主・経営者が知っておくべきポイント~

「うちは小規模だから大丈夫」
「ちゃんと申告しているつもりだから問題ない」

税務調査について、このように考えている個人事業主や法人の代表取締役の方は少なくありません。しかし実際には、規模の大小に関係なく、税務調査が入る会社には一定の傾向があります。

この記事では、税理士の実務経験をもとに、税務調査が入りやすい会社・個人事業主の特徴を分かりやすく解説します。調査を怖がるのではなく、備えるための内容です。

目次

そもそも税務調査はどうやって選ばれるのか?

税務調査はランダムに行われているように見えて、実際には 申告内容や過去データをもとに選定 されています。

つまり、目立つ数字、不自然な動き、業種特有のリスク、こうした点が重なると、調査対象になりやすくなります。

最近では、AIを利用して調査に入る個人事業・法人を選定しているという話も聞きます。

本当に、AIの時代だなぁ…とつくづく感じる今日この頃です。

税務調査が入りやすい会社・個人事業主の特徴

① 売上や利益の変動が不自然

・前年と比べて売上が急に増減している
・利益が毎年ほぼ同じ金額で推移している

このような場合、本当に実態どおりか?と疑問を持たれやすくなります。

特に、

  • 売上が増えているのに利益が出ていない

  • 景気が良い業界なのに赤字が続いている

といったケースは、調査対象になりやすい傾向があります。

私は、決算を組ませて頂く時には必ず前年度の数字と比較するようにしています。そして、前年度の数字と比較して疑問がわく部分があれば、それは税務署も疑問視する部分だと思うので社長にお話を伺うようにしています。

それで、合理的な理由があるけれど税務署に何か思われそうな部分でかつ金額が大きいものがあれば、事業概況書に特記事項として記載するようにしています。

② 経費の割合が高すぎる

売上に対して経費が極端に多い場合、私的な支出が混ざっていないか、がチェックされます。

よく見られるポイントは、

  • 接待交際費

  • 旅費交通費

  • 車両費 など

また、雑費の数字があまりに多いのも、「何の費用…?」となるので、できるだけ適正な科目に振り分けるように指導しています。

特に個人事業主の場合、プライベートとの線引きが曖昧だと、税務調査のリスクが高まります。

(実際、担当していたお客様で調査に入られ、交際費・旅費交通費の否認が多く、追徴課税がそこそこあったケースがありました。)

③ 現金取引が多い

現金商売や現金収入が多い業種は、売上の計上漏れが起きやすいと見られがちです。

たとえ正しく処理していても、

  • 現金残高が合わない

  • 入金記録が不明確

といった状態があると、調査のきっかけになります。

現金出納帳をつけておらず、領収書を直接会計ソフトに入力されている会社・個人事業主は、実際に会社にある現金と帳簿上の現金に大きなズレが生じることがあります。

決算時に、あまりに多くの現金残高があると不信に思われるので、社長とお話して内情を聞いた上で是正するようにしています。

④ 過去に申告漏れや修正があった

以前に、

  • 申告漏れを指摘された

  • 修正申告をした

  • 税務署から注意を受けた

こうした履歴がある場合、一定期間は継続してチェックされやすいのが実情です。

一度指摘されたら終わりではなく、その後どう改善したかが重要になります。

以前、担当していたお客様で是認通知を頂いたことがありました。そこの会社は経理の方が皆さんしっかりしておられたので、是認となったと思うのですが私もとても嬉しかったのを覚えています。

⑤ 税理士が関与していない、または関与が浅い

税理士がいない=即調査、ではありません。
しかし、自己流の申告、根拠が曖昧な処理、質問されたときに説明できない、こうした状態だと、税務署側も確認が必要になります。

税理士が関与している場合は、申告内容の整合性や説明力が高まり、結果的に調査リスクを下げる効果があります。

税務調査=悪ではない

税務調査が入ること自体は、悪いことではありません。

きちんと準備ができていれば、大きな指摘なく終わる、軽微な修正で済むというケースも多くあります。

問題なのは、自分の数字を把握していない、説明できない処理が多い、この状態で調査を迎えてしまうことです。

私は、普段から調査官の立場になって決算を組んでいます。場合によっては、「ちょっとこの部分は、グレーだな…」という箇所については社長にご説明し、税務調査において指摘される可能性をした上で、説明できるよう準備しています。

まとめ:調査を恐れるより、日頃の経理が重要

大事な事は、特別なことではなく、日常の経理や申告の積み重ねにあります。

先ほど記載した、是認をいただいた会社は本当に帳簿がきれいで毎日コツコツ帳簿を作成し、証憑書類もきれいに綴じられていました。

また、数字に一貫性があるか、経費の根拠を説明できるか、お金の流れが見えているか、これらを意識するだけで、税務調査のリスクは大きく下げることができます。

「うちは大丈夫かな?」と感じた今が、経理や税務体制を見直す良いタイミングかもしれません。

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