インボイスで消費税申告がある人が一気に増えています
確定申告の時期になると、毎年いろいろなご相談をいただきますが、近年とくに多いのが 消費税の申告に関する相談 です。少し前までは、「2年前の課税売上が1,000万円を超えたら消費税申告が必要」というイメージが強かったと思います。
ところがインボイス制度が始まってからは、売上1,000万円以下でも、インボイス登録をしたことで消費税申告が必要になる方が一気に増えました。
「自分は小規模だから関係ないと思っていた」という声も多く、ここで初めて消費税申告に直面する方も少なくありません。
売上が1,000万円ないお客様からよくお伺いするのが、「得意先がインボイスを登録しないと取引してくれない。」というもの。…それって下請法に引っ掛かりそうですが、下請だと文句も言えない…という話です…。
↓下請法・独占禁止法に引っ掛かる事例
https://www.mlit.go.jp/common/001468993.pdf
2割特例とは?
消費税の「2割特例」は、インボイス制度に伴って小規模事業者の消費税負担を軽くするために設けられた経過措置で、「売上に係る消費税額の2割だけを納めればよい」という簡易計算を認める制度です。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/01.htm
かなり単純にお話すると、550万円売上があったら、50万円×0.2=10万円だけ納めて下さい、という計算になります。簡単じゃんと思いますが、申告書上ではそんなに単純な計算ではなく(私たちにとっては簡単なのですが…)、税法に慣れていない方が申告書を作成するのはやはり厳しいと言わざるを得ません。
3割特例へ(令和8年度税制改正大綱より)
「2割特例」は、令和8年9月30日で終了の予定でした。今回の税制改正大綱では、新たに「3割特例」が個人事業主だけに適用されるようです。
1. 制度の概要
インボイス制度を機に課税事業者となった事業者に対し、納付税額を「売上の消費税額の3割」に軽減する特例です。 これまでの「2割特例(納付額が売上税額の2割)」から段階的に移行する形となります。
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計算式: 売上に係る消費税額 × 30% = 納付税額
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(実質的に、みなし仕入率70%の簡易課税と同じ税負担になります)
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2. 対象者(注意点)
ここが「2割特例」との大きな違いです。
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対象は「個人事業者」のみです。
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法人は対象外となります。(2割特例は法人も対象でしたが、3割特例からは外れます)
※これまで通り、インボイス登録によって免税事業者から課税事業者になった方が対象です。基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合などは対象外です。
3. 適用期間
「2割特例」が終了(令和8年9月30日まで)した後、以下の2年間が対象となります。
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令和9年(2027年)分
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令和10年(2028年)分
よくある誤解:「20万円以下なら申告しなくていい?」
確定申告で、毎年とても多い誤解があります。
それが「給与以外の所得が20万円以下なら申告しなくていい」 というもの。
これは「申告しなくてもよい場合がある」という話であって、確定申告をするなら、20万円以下の所得も含めて申告が必要です。
「20万円以下だから書かなくていいと思っていた」
というケースは本当に多く、後から修正が必要になることもあります。
また上記のお話は所得税のお話であって、住民税は関係ないようです…。
…これ、知らない人結構多いと思うのは私だけでしょうか…?なぜ扱いを別にするのでしょう…😢
「基礎控除」なのに、人によって金額が違う?
最近の確定申告で分かりにくくなっているものの一つが、基礎控除です。
昔は、誰でも一律38万円。私がこの職業についた時は何も考えず基礎控除は38万円。
その後48万円(所得が多い方は段階的に減っていき0円となる。)になり、
今は 所得によって細かくわけられています…
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm
…正直、全く覚えられません…。確定申告ソフト頼みです(;^ω^)
名前は「基礎控除」なのに、「全然基礎じゃない…」と感じる方も多いのではないでしょうか。
ここを勘違いしたまま計算すると、
「思っていた税額と全然違う」ということも起こりがちです。(今はあまりいないかと思いますが)手書きで申告書を作成している方は要注意です。
1年分まったく手をつけていない方は要注意
税理士として「できれば早めに相談してほしい」と感じるのは、1年分の処理をまったくしていないケースです。
領収書も整理していない、売上もまとめていない、何から手をつけていいか分からない…
こういう場合、直前になるほど選択肢が少なくなります。
簡単な申告なら、無料相談を活用するのも一つ
一方で、内容がシンプルな確定申告であれば、税理士会の無料相談などを早めに活用するのも良い方法です。大切なのは「ギリギリにならないこと」。早く動くことで、精神的な負担もかなり減ります。
…昨日ご相談に応じたお客様は、無料相談の予約がとれなかったそうです…。え、そんなに混んでるの…?とびっくりしました。
確定申告時期は、本当に税理士が足りません
毎年感じることですが、確定申告の時期は、税理士が本当に足りません。
今年、開業したばかりですし、ちょっと使ってみよう💡と思い、紹介サイト経由で確定申告の依頼を受けていたのですが、あまりにも依頼が集中しすぎて、一度受付を止めたところ、すぐに運営から電話がありました。
「もう受けられませんか…?」
それくらい、需要に対して供給が追いついていないのが現実です。
毎年お願いしている税理士さんがいる方は問題ありませんが、決まっていない方は 本当に早めの行動が大切です。
今年の確定申告、伝えたいことは一つ
確定申告について、一番伝えたいことはとてもシンプルです。
「今年は、早めに取り組みましょう」
早く始めれば
・選択肢が増える
・落ち着いて判断できる
・結果的にミスも減る
確定申告は、後回しにすると一気にしんどくなる手続きです。少しでも不安があるなら、早めに情報を集める、相談先を探す、その一歩だけでも踏み出してもらえたらと思います。