【税理士が解説】脱税した時にかかる本税以外の税金・罰則・節税との違い~某インフルエンサーに1.5億円脱税の疑い【東京国税局が告発】

2025年12月、ある広告代理業の経営者が約1億5,700万円の脱税容疑で在宅起訴されるというニュースが報じられました。
架空の経費を計上し、法人税や消費税の納税を免れていたとされています。

このニュースは、脱税がどれほど大きなリスクを伴う行為なのかを、改めて私たちに突きつけています。

この記事では、脱税した時にかかる本税以外の税金、脱税と節税の違い、行政処分だけでなく刑事罰も科される点について、税理士の立場から分かりやすく解説します。

目次

脱税した時にかかる本税以外の税金とは?

脱税が発覚すると、単に本来払うはずだった税金を納めれば終わりではありません。複数のペナルティが重なり、支払額は想像以上に膨らみます。

① 追徴税

申告していなかった税額、少なく申告していた税額がすべて追加で徴収されます。脱税額が大きければ、そのまま多額の追徴税となります。ただ、この税額についてはそもそも本来払うべき税額だったので、払うのは当然とも言えるでしょう。

② 重加算税

架空経費の計上、売上の隠蔽など悪質な不正行為と判断された場合、通常の加算税よりも重い重加算税が課されます。

話はそれますが、普通に行われる税務調査の際にも重加算税を課される場合があります。売上隠し・今回のような架空経費計上の場合は重加算税を課されても仕方ありませんが、単純に経費処理を誤ってしまった場合・専門家から判断すると「重加算税の対象ではないのではないか?」と思われる場合についても調査官から「重加算税対象ではないか?」と指摘されることがあります。(ちなみにそのような質問のされ方はされません。)そのあたりをよくわからないまま、安易に認めてしまうと重い税金が課されることになるケースもあります。

税務調査の際は、調査に詳しい税理士に絶対相談した方がよいと考えます。

話は戻りますが、このニュースを読む限り重加算税の対象でしょう。

ちなみに、申告はしていたようなので追加で35%重加算税が課されます。

また平成28年度税制改正による加算税制度の改正によって、短期間のうちに隠蔽や仮装を繰り返した場合に、加算税額が10%増える制度が導入されています。となると、35%に10%加算して45%になるのでしょうか。

となると、単純計算して、

1億5700万円×45%=約7000万円!!!

最初から、誠実に納税した方が明らかによかったですよね…

③ 延滞税

納期限を過ぎて納めていなかった期間に応じて、延滞税(利息のようなもの)が発生します。

※税率は、①納付期限の翌日から2か月間は年7.3%または延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い割合、②それ以降は年14.6%または延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い割合となっています。

令和7年の延滞税の税率は①「2.4%」と②「8.7%」(特例基準割合は1.4%)となっているようです。

ものすごく単純に仮で計算してみると、約2,000万円ほどではないかと思われます。

結果として
1億5700万円+7,000万円+2,000万円=2億4700万円!という形で、支払総額は当初の税額を大きく上回ることになります。

脱税と節税の決定的な違い

節税とは

節税とは、法律に基づいて正しく税負担を軽くすることです。
経費を適切に計上する、各種控除や特例を活用する、決算対策を行うなど、すべて合法の方法です。私は、節税は積極的に実践していった方がいいと考えます。節税は、決算月が過ぎてしまってからでは行えないものがほとんどです。ですので、日頃から記帳はきちんと行うようにし、毎月会社の数字を把握していく必要があります。その会社の数字をみさせてもらい、適切なアドバイスをするようにしています。

脱税とは

脱税は、意図的に事実を偽り、税金を免れようとする違法行為です。
売上を隠す、架空経費を作る、二重帳簿を作成するなどが典型例です。節税は認められた工夫、脱税は犯罪です。
この境界線を誤ると、経営や人生に深刻な影響を及ぼします。

私は、税理士として正義感をもって仕事をしています。節税に関しては積極的にご提案させていただきますが、脱税は認めません。

行政処分だけでは終わらない ― 刑事罰のリスク

脱税は、税務署からの指摘や追徴課税だけで終わるケースばかりではありません。悪質と判断された場合、刑事事件として扱われます。今回のケースは、刑事罰も対象ですね。在宅起訴されていますので。

脱税に科される刑事罰

法律では、脱税行為に対して懲役刑や高額の罰金、またはその両方が科される可能性があります。今回のように、在宅起訴に至るケースも決して珍しくありません。初犯であれば、執行猶予がつく可能性が高いですが、罰金…。一体いくらになるのでしょうか。私はそのあたりの専門家ではないので、想像がつきません。とにかく恐ろしいです。

経営者・個人に与えるダメージ

刑事処分は、金銭的な問題だけでなく、信用の失墜、取引停止、金融機関からの評価悪化、事業継続への深刻な影響など、人生と事業の基盤を揺るがします。

まとめ:脱税の代償は想像以上に大きい

脱税は
・多額の追徴課税
・重加算税・延滞税
・刑事罰
・社会的信用の失墜
という、極めて大きなリスクを伴います。

一方、正しい節税は事業を守り、資金を残すための重要な経営戦略です。

「これって大丈夫なのかな?」と少しでも不安を感じたら、早めに税理士へ相談することが、結果的にあなた自身と会社を守る一番の近道になります。

税金の処理について「これって大丈夫かな?」と少しでも感じた方は、問題が大きくなる前に一度ご相談ください。状況に合わせた正しい節税方法とリスク回避のアドバイスを、女性税理士が直接丁寧にサポートいたします。

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