税理士が読んだ「リーダーのための経営心理学」

経営者のみなさまとお話ししていると、

「従業員さんがなかなか動いてくれない」

「雰囲気が悪くて業務がスムーズに進まない」

といった“人に関するお悩み”をよく耳にします。

そんなとき改めて思うのは、
経営は数字だけではなく、やっぱり“人の心”で成り立っているということ。

今回ご紹介する『リーダーのための経営心理学』は、
その「人の心」を50の視点から分かりやすくまとめた一冊です。

リーダーや管理職の方はもちろん、小規模事業の経営者さんにも役立つ内容がたくさんありました。

心理学が教えてくれる「人が動く仕組み」

感情が動けば、行動も変わる

本書では、「人は合理的よりも感情で動く」という考えがベースになっています。
数字だけを見て指示を出しても進まないのは、気持ちがついてきていないからなんです。

たとえば

  • 不安なまま仕事を抱えてしまっている

  • 否定されるのが怖くて意見が言えない

  • やらされ感が強い

  • こうした状態では、どれほど正しい指示でも行動は変わりません。

税務でも同じで、「ルールはこうです」と伝えるだけでは定着しないこと、ありますよね。

“承認”があると、組織が明るくなる

人の基本的な欲求のひとつに「認めてほしい」があります。
これは従業員さんだけでなく、経営者にも当てはまるものです。

本書でも、承認がある組織はメリットがたくさんあると紹介されています。

  • ミスを隠さず報告できる

  • 仕事への前向きさが増す

  • 改善案が出やすくなる

税理士として見ていても、承認の文化がある会社は、経理処理・報告体制がとても安定している印象があります。

自分で決めたことは、責任をもって取り組める

「人は自分で決めたことに責任を持つ」と言われています。

リーダーが細かく指示を出しすぎるより、ある程度任せて、本人に考えてもらった方が行動がスムーズになる場合も。これは経営数字にも同じことが言えて、

「なぜこの売上目標にするのか」を一緒に考えることで、従業員さんの“自分ごと化”が進みます。

目に見えない“安心感”が会社を強くする

心理学的に、安心感がある環境では人の能力が発揮されやすいと言われます。

  • 話を聞いてもらえる

  • ミスしてもすぐ責められない

  • 役割がはっきりしている

こうした安心があると、日常のコミュニケーションが滑らかになり、結果として業務のスピードや正確性にもつながっていきます。

税務の場面でも、「帳簿をきれいにしなきゃ…」という過度な緊張感より、「分からないことは相談できる」という安心のほうが確実に改善が進みます。

この本を読んで感じたこと

リーダーシップやマネジメントの本は数多くありますが、
この本は心理学をベースにしているため、“人の心の動き”を丁寧に扱っている点が特徴です。

税務や会計の仕事は、数字を通じて会社の状態を見るものですが、
最終的に数字を動かすのは“人の行動”です。

だからこそ、経営者の方には「数字」と一緒に「心」を扱う視点を持っていただきたいと感じています。

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