所得税の税務調査はAIで選ばれる時代へ~国税庁がAIを活用、追徴税額は過去最高に 今後の税務調査はどう変わる?~

こんにちは🍀名古屋市で活動する税理士の眞弓倫子です✨

2026年1月、国税庁から発表された最新の税務調査状況によると、所得税の税務調査にAI(人工知能)が本格的に活用され、追徴税額が過去最高を更新しました。
今回は、このニュースをもとに、税務調査の選ばれ方がどう変わったのか、私たち納税者や事業者は何に気をつけるべきかを、税理士の視点で解説します。

目次

所得税の税務調査、何が変わったのか?

AIが調査対象の選定に使われている

今回の発表で特に注目されたのは、税務調査の対象者を選ぶ段階でAIが活用されているという点です。

これまで税務調査は、

  • 過去の調査履歴

  • 職員の経験や勘

  • 業種や売上規模

といった要素をもとに選定される側面が大きいものでした。しかし現在は、申告内容・申告者の属性・過去データなどをAIが分析し、申告漏れリスクが高いと判断されたケースが優先的に選ばれる仕組みへと進化しています。

追徴税額1431億円、なぜ過去最高なのか

今回の年度では、所得税の追徴税額が1,431億円と過去最高になりました。

ここで重要なのは、調査件数が増えただけではない、的中率が高くなっているという点です。

AIを使うことで、

  • 形式的には整っているが実態と合っていない申告

  • 売上や経費のバランスに不自然さがある申告

  • 申告内容と業種特性が合っていないケース

などが、効率的に抽出されていると考えられます。

悪質でなくても選ばれる可能性がある時代

ここで誤解してはいけないのは、脱税をしている人だけが税務調査に選ばれるわけではないという点です。AIは感情を考慮しません。

  • 悪気はない

  • よく分からず自己判断で処理した

  • 前の税理士の処理をそのまま引き継いだ

こうしたケースでも、数字として不自然、説明がつきにくいと判断されれば調査対象になる可能性があります。

税務調査時代に求められる申告の考え方

これからは「説明できる申告」が重要

AIが調査対象を選ぶ時代において、重要なのは、とにかく税金を減らすこと、グレーな処理を黙認することではありません。

これから求められるのは、

  • なぜこの数字になっているのか

  • なぜこの処理をしているのか

  • 税務署から聞かれたときに説明できるか

というきちんと説明ができる申告です。

税理士として感じること

AIが税務調査に使われると聞くと、厳しくなる…と感じる方も多いかもしれません。

しかし、見方を変えると、きちんと申告している人が不利になる時代ではない、根拠のある申告をしていれば、過度に恐れる必要はないとも言えます。

むしろ今後は、税理士がどれだけ申告内容を理解し、リスクを説明できているかが問われる時代だと感じています。

私はいつも申告書を作成する際に、税務調査を意識しながら作成しています。業界経験約20年の中で、多くの決算に関わり、調査にも立ち会ったりした経験から、「ここは何となく指摘されそうだな…」という部分がにおうので、納税者の方にはご説明するようにしていますし、自分が税理士として指摘されて時に、どのように説明するのかをシミュレーションしたりしています。

不安を感じたら、早めの相談を

もし、

  • 「今の申告内容、大丈夫かな…」

  • 「過去の処理に少し不安がある」

  • 「税務調査の話を聞いて怖くなった」

そう感じたら、何か起きてからではなく、早めに相談することが大切です。

税務調査は、突然来るものではありますが、準備できること・防げるリスクは確実に存在します。

まとめ~AI時代の税務調査に備えるために

  • 税務調査の選定にAIが活用されている

  • 追徴税額は過去最高、調査の精度が上がっている

  • 悪質でなくても不自然な申告は選ばれる可能性がある

  • これからは説明できる申告が何より重要

「安心して事業に集中できる申告」を一緒に作っていくことが、これからの税理士の役割だと考えています。

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